山線経由の特急「ニセコ号」が使用車両を一新 9月に16日間運転 183系引退後の後継は?

JR北海道は、2023年9月に運転する函館本線「山線」経由の臨時特急列車「ニセコ号」に、道内各地で活躍しているキハ261系5000代「はまなす」編成を使用します。

多目的特急車両として道内各地で運行されているJR北海道キハ261系5000代気動車「はまなす」編成(中村 昌寛/写真AC)
多目的特急車両として道内各地で運行されているJR北海道キハ261系5000代気動車「はまなす」編成(中村 昌寛/写真AC)

「はまなす」編成が5時間半を駆け抜ける

普段は優等列車の設定がない倶知安駅・ニセコ駅経由の「山線」ルートを走行する特急列車として観光シーズン限定で運転されています。今年の運転日は9月2日(土)〜24日(日)の間の計16日で、片道5時間27〜33分の所要時間で札幌駅〜函館駅間を1日あたり1往復します。

車窓からは日本海が見渡せる石狩湾、“蝦夷富士”の別名を持つ羊蹄山、太平洋へと続く噴火湾と、北海道らしい変化に富んだ大自然を存分に楽しめます。さらに、北海道新幹線の札幌延伸後は並行在来線として扱われるため、現在の姿の函館本線に乗車できるのもあと数年ということで、今年の「ニセコ号」も人気を集めそうです。

2022年まで「ニセコ号」に使用されていた「ノースレインボーエクスプレス」編成を含め、すべてのキハ183系車両の営業運転は2023年春をもって終了しました。新生「ニセコ号」には、通常運用から観光列車までマルチに対応できる多目的特急車両として2020年にデビューした「はまなす」編成が起用されます。

全車指定席として発売され、指定席特急券をお持ちの方は1号車にある落ち着いた雰囲気のフリースペース「はまなすラウンジ」も利用できます。全車両で利用できる無料Wi-Fiサービス、全座席へのコンセント設置などにより、移動中の快適度が格段に向上しそうです。

(臨時特急「ニセコ号」の運転日と各停車駅の時刻、おもてなしの内容と実施日・区間など詳細は下の図表を参照)

【時刻表で解説】臨時特急「ニセコ号」の運転日と各停車駅の時刻、おもてなしの内容と実施日・区間

おもてなしは沿線の高校生と初コラボ

今年の「ニセコ号」では初めての試みとして、沿線の「北海道小樽未来創造高校」「北海道ニセコ高校」と連携した乗客のおもてなしが一部の日程で実施されます。

未来創造高校には、小樽市の歴史や文化の知識を持つ「おたる案内人」として活躍している生徒がおり、列車に乗車して観光ガイドや特産品の車内販売を実施します。国際色豊かな環境でグローバル観光や農業を学んでいるニセコ高校は、生徒が育てたいちごやサツマイモを使用し、地元の有名店「SEEDベーグル」と共同開発した季節限定ベーグルの車内販売を企画しています。

上り列車に合わせて余市駅ホームに設けられる販売ブースは、アップルパイやりんごラムネのほか、ワインやクラフトビールなどの酒類も揃い、「ニセコ号」で唯一お酒が買えるスポットとして毎年賑わいます。さらに、9月17日(日)の上下列車には、余市町の地域おこし協力隊でソムリエの實田有希(さねだ ゆうき)さんが乗車し、1号車カウンターで余市の酒類やジュースの車内販売を行います。

そのほか、毎週土曜日は「週末トレインマルシェ」と称し、沿線の市町村の方々とご当地キャラクターによるお出迎えや特産品販売が行われます。また、一部の運転日にはニセコご当地グルメの車内販売が実施されるほか、長万部駅と倶知安駅では事前予約した方向けにお弁当の販売も行われます。

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